Mechanical メカニカル
The mid batch fix in batch 1 that resolved gap/flex issues between the main cage and bottom shell has been carried over to batch 2 through tooling changes. A 3mm tolerance adjustment has been made on the bottom shell accordingly.
The battery retainment from has been redesigned to save. 0.4 grams and also eliminates exposed adhesive on the underside of the mouse.
A 0.25mm tolerance adjustment has been made to the stoppers above the plunger hooks on the main cage to reduce post travel by 0.25mm. This is a subtle adjustment as we did not want to eliminate post travel entirely as some is necessary for good feel.
A 0.1mm tlerance adjustment has been made to each face of the plunger hooks (0.2mm total on each) to reduce click wobble (side to side action). This is a tight tolerance and we ensured the clicks are still free floating and there is no friction added.
Catch ribs on the bottom of the rear cage have been increased to 1.2mm to improve fitment with the bottom shell.
メインケージとボトムシェルの間のギャップ/フレックス問題を解決したバッチ1の中間修正は、金型の変更を通じてバッチ2に引き継がれた。それに伴い、ボトムシェルの公差が3mm調整された。
バッテリー保持部の設計が変更されました。0.4グラム軽量化され、マウス裏面の接着剤の露出がなくなりました。
メインケージのプランジャーフック上のストッパーに0.25mmの公差調整が行われ、ポストの移動量が0.25mm減少しました。これは微妙な調整で、フィーリングを良くするために必要なポストトラベルを完全に無くしたくなかったからです。
プランジャーフックの各面に0.1mmのトレランス調整(各0.2mm合計)を行い、クリックのぐらつき(左右の動作)を軽減しました。これは厳しい公差であり、クリックがフリーフローティングであり、摩擦が加わらないことを確認しました。
リアケージ下部のキャッチリブを1.2mmに拡大し、ボトムシェルとのフィット性を向上。
Processes / Miscellaneous プロセス / その他
The matte coating layer is being adjusted to provide slightly more grip to the ULX coating.
Assenbly of the polycarbonate shims is now being done with soft tweezers to prevent stratching of the shim.
The seam/gap between the main cage and bottom shell is now a 100% dimension QC sheck to ensure zero movement.
マットコーティング層は、ULXコーティングのグリップ力を若干高めるように調整されている。
ポリカーボネート製シムのアッセンブリーは、シムのストラッチを防ぐため、柔らかいピンセットで行っている。
メインケージとボトムシェルの間の縫い目や隙間は、100%寸法のQCシックで、動きがないことを確認しています。
Firmware ファームウェア
Batch 2 will come factory flashed with version 2.0.9. Firmware version 2.0.9 fixes some channel hopping bugs that could result in desyncs/dropouts in specific edge cases. This firmware update will be available to all users via XPANEL and will be announced as separate update as well.
バッチ2はバージョン2.0.9で工場出荷時にフラッシュされます。ファームウェア・バージョン2.0.9では、特定のエッジケースで非同期/ドロップアウトを引き起こす可能性のあるいくつかのチャンネル・ホッピング・バグが修正されています。このファームウェア・アップデートは、XPANELを通じて全ユーザーに提供され、個別のアップデートとしても発表される予定です。
Finalmouse Ultralight X Lion レビュー
このページでは Finalmouse Ultralight X Lion をレビューします。
デザイン
Finalmouse Ultralight Xは Guardian (黒金) と Phantom (黒青) の2色展開です。
個人的にビジュアルはとても良いです。カーボンファイバー複合材のシェルはプラスチックよりも黒く、光を吸収するので、デスクに置いているだけで存在感が出ます。お馴染みのハニカムシェルは好みが分かれそうです。
ほぼ同じ形状で重量も近いWLmouse BEAST Xと比べ、一つ一つの穴が小さくて持ちやすいのは利点と言えます。
コーティング
肉抜きされていない部分(メインボタン)はそれなりにグリップ力があり、マグネシウム合金製のStarlight-12シリーズと比べて明らかに滑りづらいです。肉抜きされた部分はほぼ変わらず滑りやすいので、何かしらの対策をしたいところ。
グリップテープが付属していますが、表面がとても滑らかでグリップ力がほとんどありません。ただ穴を隠すためであれば使えますが、防滑性が欲しいなら他のテープを用意する必要があります。
形状と大きさ
Finalmouse Ultralight Xは3種類のサイズ展開で、今回取り上げているLionは前作でいうところのMediumにあたります。
- Cheetah (Small) : 54.1 x 115.6 x 35.2mm
- Lion (Medium) : 56.8 x 121.3 x 37.0mm
- Tiger (Large) : 59.0 x 126.0 x 38.4mm
前作 Starlight-12 Phantom Medium の寸法は121.0 x 56.5 x 36.5mmでした。数値上は誤差レベルの違いがありますが、実際に手に取ってもその違いには気付けず、全く同じもののように感じます。
FinalmouseのミディアムサイズはLogicool G PRO X SUPERLIGHTやRazer Viper V2 Proみたいなゲーミングマウスと比べると一回り小さく、あえて分類するならスモールサイズに近いです。
横から見ると全体的に背が低く、ピークは真ん中辺りにあります。
後方から見たとき、本体後部は左右の両端まで高さが残されていることから、コブがあまり丸みを帯びておらず平べったいことが分かります。こういったコブを持つマウスは、薬指や小指の付け根で支える浅めのつかみ持ちで相性問題が発生しづらい傾向にあります。
メインボタンはU字状に深く窪んでいるため、人差し指と中指の指先の位置が定まりやすいです。
両サイドは真ん中よりもやや前側が最も細く、そこに向かって緩やかなカーブを描いています。真ん中よりも前側はわずかに逆ハの字になっています。サイドに指を添えるだけで指先が引っ掛かって楽に持ち上がります。
メインボタンがサイドシェルに乗り上げるような設計はあまり良くないと感じます。持ち方によっては薬指が引っ掛かって右クリックしづらかったり、隙間に挟まってしまったりします。
形状に関しては昔から人気なだけあり、無難に持ちやすいです。
浅めのつかみ持ちはよほど手が大きくない限りは相性が良いです。深めのつかみ持ちは手が小さくないと窮屈に感じます。つまみ持ちならCheetah (Small)を選んだほうが幸せになれるかも。
本体重量
本体重量について、発表時には全サイズ 29gを謳っていましたが、途中で仕様が変更されました。
- Cheetah (Small) : 29g
- Lion (Medium) : 35g
- Tiger (Large) : 37g
現在、公式サイトの商品ページには 「Lion (Medium): 35 Grams」 と表記されています。実際に測ってみると38.0gでした。公式サイトに記載されている仕様とは大きなずれがあります。
とはいえ、一般的な形状で38.0gというのは驚異的な軽さです。
Zaunkoenig M2KやG-Wolves HSK Proのような20g~30g台の小さなマウスは過去にいくつか出てきていましたが、あまりに小さいのでつまみ持ちでしか扱えないのが難点でした。
スピード~スピードバランスタイプに分類される布製マウスパッド Kurosun Ninja Speed と組み合わせ、VALORANTで使用していましたが、慣れるのにある程度の期間は必要になるものの、動かし方を覚えると、50~60g台のマウスとは全く違った感覚でエイムできます。マウスを動かし始めるのに力が要らないので、脱力した状態をキープしやすいのが強みです。思わぬところから敵が出てきたりして不意に力んだりしない限りは、マウスを素早く動かし、スッと止められます。
ソフトウェア
Finalmouse Ultralight Xはソフトウェア XPANEL に対応しています。わざわざアプリケーションをダウンロードしなくても、ブラウザ上で開くだけで設定が行えるといったもの。こういったWebベースのソフトウェアはWootingがいち早く取り入れたと記憶していますが、コミュニティからの評判も良く、今後流行っていきそうな予感がします。
Overviewでは設定状況とバッテリー残量が一目で確認できます。左下にはワイヤレス電波の強度が表示されています。
DPI (400/800/1600/3200/6400)、ポーリングレート (500/1000/2000/4000)、LoD (1mm/2mm)、Motion Sync (On/Off) が調整可能です。ポーリングレート8000Hzはまだ使えないようです。
Dongle LEDの項目は、バッテリー残量によって色が変化するモードを選ぶと便利です。
Firmwareからはファームウェアの確認やアップデートが行えます。
ブラウザですぐに開けるうえに、UIがシンプルで分かりやすくて非常に使いやすいです。こういった部分は他のメーカーもぜひ見習ってほしいところ。
バッテリー
バッテリー容量は250mAhと小さいですが、ポーリングレート1000Hzや2000Hz動作時のバッテリー持ちは悪くありません。ポーリングレート4000Hz設定時は10時間前後しか持ちません。
- ポーリングレート1000Hz設定で1時間あたり約1~2%減少(52%→50%→49%→47%と推移)
- ポーリングレート2000Hz設定で1時間あたり約4%減少(49%→45%→41%→36%と推移)
- ポーリングレート4000Hz設定で1時間あたり約10%減少(36%→25%→15%→6%と推移)
それぞれのポーリングレートでVALORANTをプレイし、1時間あたりバッテリーが何%減少するかをテストし、その結果を記載しています。
ファームウェアバージョンはマウスとドングルともにv2.1.0です。XPANELのバッテリー残量表示がやや不安定で、バッテリー残量が稀に増加することがあったので、何度か検証を行い、最も参考になりそうな値を記載しました。
ビルドクオリティ
初期ロットのビルドクオリティについては賛否両論あり、各所であらゆる問題が指摘されています。Finalmouseはそれらの一部を Batch #2 で改善したことを発表しています。具体的には以下のように改善されたとのことです。
- メインボタンのシェルの左右へのぐらつきを軽減
- 左右クリックのフィーリングが改善
- バッテリー保持部の設計を変更し、0.4グラムの軽量化、マウス裏面の接着剤の露出が無くなった
- トップシェルとボトムシェルの隙間を無くし、フィット性も向上
- シェル表面のコーティングのグリップ力が若干向上
筆者は初期ロット(Batch #1)を購入しましたが、品質管理は甘いと感じました。
例えば、バッテリー保持部の設計。ボトムシェルにバッテリーを固定するための両面テープが貼り付けられていますが、ボトムシェルの穴から両面テープの接着剤が露出してしまい、埃や小さなごみを吸い寄せ放題になっています。G-Wolvesのマウスなんかもこれ。実際のゲームプレイには一切影響しませんが、もう少し配慮してくれてもいいのにな、と感じます。
メインボタン
メインボタンのシェルは左右にぐらぐらと揺れます。左右ともにボタンを押したときにギギギと擦れるような音が鳴り、ボタンが跳ね上がるときに引っ掛かるような感触が指先に伝わることです。本来押し込めない深さまでシェルが沈んでしまってる感じ?明らかに違和感があります。
クリック音を聴くと、カチッとスイッチが押し込まれた直後、微かにギギギと鳴っているのが分かるかと思います。
おそらく本来のクリック感はとても良いものだと思います。軽い力で押し込むことができる割に、とても歯切れがよく、きびきびとしています。押し込む場所による固さの変化も少ないです。しかし、この擦れる感じが全てを台無しにしてしまっています。
予定通りにいけば、これはBatch #2で改善されるでしょう。
ホイール
マウスのホイールには滑り止めのゴムリングが嵌め込まれている場合がほとんどなのですが、Ultralight Xはプラスチック剥き出しなので、とにかく指先が滑りやすいです。
回し心地はかなり軽めで、適度なノッチ感があります。ホイールを回したときの感触はとても良いとは言えず、回すたびにカラカラと異音が鳴ります。
反応の正確性に一切難はなく、実用上何か問題がある訳ではないのですが、どうしてもチープな造りのように感じられます。
Finalmouseとはホイールの好みがずっと合わないです。自分好みにしろとは言わないですが、せめてUltralight Xは万人受けする感触のものであってほしかったです。
シェルの強度が低い
「トップシェルとボトムシェルの隙間を無くす」と改善リストに記されているように、Finalmouseは初期ロットのトップシェルとボトムシェルの隙間に関しては品質の問題であると認識しているようです。
しかし、マウス本体をじっくりと観察してみると他の部分にも隙間があります。例えば、トップシェルとサイドシェルの間。また、トップシェルは真ん中の1本の支柱だけで支えられていて、端のほうは浮いている状態なので、指でつっつくだけで沈みます。
本体後部にも支柱がないので、指で軽く押しただけでへこみます。おそらく押しつぶそうと思えば簡単にできるくらい、全体的なシェルの強度は低いと思われます。
Finalmouseは、このシェルの強度の低さについては品質の問題と認識していません。
Finalmouseの新たな試み
ULXは、あえてシェルの強度の基準値を落とし、軽さというステータスに極限まで振ることを選択したようです。やっていること自体は、他社がバッテリー持ちを削って重量を軽くするのと何ら変わりません。
最近では、シェルの剛性の高さもゲーミングマウスの評価項目の1つに含まれることが多く、それを重視する人からするとFinalmouse Ultralight Xは史上最悪のゲーミングマウスと言えるかもしれません。
しかし、本来この形状・大きさでは成し得なかった軽さを実現していることも事実です。軽さが重要だと考えている人にとって、ULXは非常に魅力的で、他にない唯一無二の選択肢となります。
筆者の個人的な意見では、シェルの強度はそこまで重要とは思いません。ゲームプレイ中にあえて強い力を加えてみたり、ましてや握りつぶすなんてことはしないので、普通に使っていて何も問題が起こらないならそれで充分だと考えています。
これに関しては色々な考えがあると思いますし、その考えの違いによってULXに対する評価も大きく分かれるでしょう。(よかったらYouTubeのコメント欄に自分の意見を書いてみてください。)
ただ一つ言えるのは、数ある評価項目の中でもシェルの強度は重要とされる風潮にある中、こういうことを平然とやってのける、批判を恐れずに新たな挑戦を続けるFinalmouseのようなメーカーの存在は偉大だということです。
WLmouse BEAST Xとの比較
Finalmouse Ultralight X Lionの競合製品として挙げられるのが WLmouse BEAST X です。形状と大きさはほぼ同じで、本体重量にもそこまで差はありません。
Name | MaxWidth (mm) | Length (mm) | Height (mm) | Weight (g) | Real Weight (g) | PollingRate (Hz) | シェルの素材 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
62 | 122 | 37 | 4000 | マグネシウム合金 | |||
56.8 | 121.3 | 37 | 8000 | カーボンファイバー複合材 |
この2機種で主な争点となるのはシェルの素材と強度です。
BEAST Xはシェルの素材にマグネシウム合金を採用しており、派手に肉抜きされてはいるものの、多少乱暴に扱っても問題無いくらいの高い剛性を誇ります。トップシェルやサイドシェルに圧を掛けてもたわむことはありません。
一方で、Ultralight Xはとにかく軽さを追求するといったコンセプトで設計されており、シェルの素材にはプラスチックよりも強度のあるカーボンファイバー複合材を採用してはいるものの、トップシェルの端が沈んだり、本体後部がへこんだり、シェルの強度の低さがかなり目立ちます。
問題なのは、シェルの強度にここまでの差がありながら、本体重量の差はわずか4グラムに留まっているという点です。これは多くの人が納得しづらいと感じる部分ではないでしょうか。
ゲーミングマウスを選ぶうえでシェルの強度はそこまで気にしておらず、1グラムでも軽い方が優れていると考えている人はUltralight Xを、それ以外の人はBEAST Xを選択するのが無難だと言えます。
結論とターゲット
Finalmouseは最も早く軽量ゲーミングマウスの可能性に気付いたメーカーです。今でこそマウスを選ぶうえで重さは無視できない要素とされていますが、つい数年前まではマウスの重さについて議論していたのはごく限られた層だけで、今ほど重要だと考えられていませんでした。
コミュニティの間でもシェルの強度は重要と言われている中、その基準値を下げてまで軽さを追い求めたゲーミングマウスがUltralight Xです。その強度は、普通に使っていてギリギリ問題が起きないレベルで、あえて強い力を加えたり、握ったりすると壊れてしまいそうなほど。
ゲーミングマウスは1グラムでも軽い方が優れていると考えていて、軽さのためならシェルの強度を削ることも厭わないなら、Finalmouse Ultralight Xシリーズは良い選択になる可能性が高いです。
ただ、わずかな本体重量の差を気にしないのであれば、形状と重さが似ていて造りが頑丈なWLmouse BEAST Xを選ぶのが無難。
何を重視するかで評価が大きく変わってくるマウスだと思います。個人的には、Finalmouseというメーカーの新しいことに挑戦し続ける姿勢は好きなんですが、今回のマウス自体の満足度は結構低いです。