こんにちは、ミオニです。普段のレビューやティアーリストでは相対的に評価することを心がけているのですが、今回は年末の特別企画として、完全に僕の好みだけで選んだ2023年のベストゲーミングデバイスを紹介します。
堅苦しい話は抜きにして、どういった部分が気に入っているかを重点的に話していくので、より詳しく知りたくなった人はレビュー動画を見てください。
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プロフィール
- 手の大きさ:幅9.5センチ 長さ18.5センチ (日本人男性の平均サイズに近い)
- 持ち方:手のひらで支える深めのつかみ持ち
- DPI:800
- ポーリングレート:1000Hz (設定可能なら4000Hz)
- センシ:ローセンシ
- ゲーム内感度:VALORANT 0.2~0.225 オーバーウォッチ 2.1
ゲーミングマウス編
まずはゲーミングマウスから紹介します。去年はワイヤレスマウスの選択肢がちょっと少なかった印象ですが、今年に入ってかなり種類が増え、妥協をしなくても自分に合うものが見つかりやすくなった気がします。
ZYGEN NP-01S Wireless
深めのつかみ持ちをする自分にとって、とにかく形が良すぎます。細かい部分まで理想に近い形をしていて、これを初めて握ったときは「自分は一生これを使い続けるんだ」と本気で思ったくらいです(1週間後には違うマウスを握ってた)。
全体的なシェイプはZOWIE S2がベースになっていて、両サイドだけ左右非対称のカーブがついています。これに似たような形のマウスは今のところ無いです。
自分の持ち方はこんな感じです。自然なフォームのまま掴めるので、長時間使っていても全く違和感が出ず、ずっと同じ感覚でマウスを動かせるところが気に入っています。
自分はマウスの形に合わせて指の配置を変えたりするのが嫌いです。指の関節が無理に曲がったり伸びきったりしていると、腕や手首の筋肉が動きづらくなるんですよね。センシが低くて腕も手首も大きく振るので、自然なフォームで可動域が広くなるほうが絶対に良いっていう考えです。
本体後部のコブが丸みを帯びていて、手のひらの付け根から真ん中辺りにべったりと触れます。こういう卵っぽいコブがあるマウスは意外と少ないです。指の付け根で支える浅めのつかみ持ちだとここには触れすらしないので、あまり重視されていないのかもしれないですね。
とにかく形が良い。軽いマウスも無数に使ってきて、持ち替えた直後は感覚的にやや重たく感じることもありますが、ゲームプレイにおいて不利になるほどではないと思います。
設定は デバウンスタイム2ms/ポーリングレート1000Hz/競技用モードON です。
G-Wolves HTS+ 4K
形状が良くて、クリック感も良くて、遅延も少ない。欲しいものを全部手に入れたみたいなマウスです。
HTS+ 4Kの形状について「G PROの後ろ側を短くして、程よいくびれを持たせたような形」とよく表現しています。本体を真上から見たとき、全長が短いし、思ったよりも小さいマウスのように思えます。でも真横から見ると、全体的に背が高いことが分かります。やや小さめで背が低いマウスが増えている中、こういった形状はとても珍しいです。
後端も途中で切られているような形になっていて、お尻までしっかりと高さが残っているのもポイントです。手のひらや指の付け根を支えられる範囲が広いので、とにかく色々な持ち方ができます。
ただ、割と造りが適当だったりサポート対応が悪かったり、中華製品らしさは残っています。最近の中華メーカーはグローバル展開を強く意識しているのか、クオリティコントロールやサポート対応にも力を入れたりしてることが多く、一概に中華製品がどうこうとは言えなくなってきているのですが、G-Wolvesはまだ放漫という印象が拭えません。
これが多くの日本人にとっては致命的な欠点になりかねないので、初心者に勧めづらくはあります。実際に自分が購入したHTS+ 4Kも、初めはバッテリーが本来とは異なる位置で斜め向きに固定されていて戸惑いました。
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マウスの持ち方について補足
マウスの持ち方について補足しておきます。
自分は手のひらで支える深めのつかみ持ちで、手のひらの付け根と人差し指と中指で縦方向に挟み込むような感じでマウスを固定してます。
サイドの3本指(親指と薬指、小指)に力を入れなくても、マウスを左右に振ることができればOKです。このフォームを作った後に、サイドを支える3本指(親指と薬指、小指)を添える感じです。このとき3本指にはほとんど力は入れておらず、添えているだけに近い状態です。
この持ち方の良いところは、力んだときのエイムのブレが軽減できることです。
手のひらと人差し指、中指だけを置いたときのフォームでいくら力んでも、マウスに若干圧が掛かるだけで、マウスが動いてしまうことはないと思います。
でもサイドを支える3本指(親指と薬指と小指)が力むと、指先の動きがそのままマウスに反映されます。VALORANTをやっていると、とにかく的が小さいので、このわずかなエイムのブレですらノイズになります。
深めのつかみ持ちは手のひらという最も安定する部分で支えられるので、せっかくならサイドの3本指みたいなノイズの原因になる部分にあまり邪魔されたくないんですよね。
だからこそ、この安定して動かせる部分だけでしっかりとフォームを作ってあげたあとに、ノイズになりかねない3本指を添える、という方法でマウスを持つようにしています。
僕の手の大きさでこの持ち方がしやすいのがZYGEN NP-01S WirelessとG-Wolves HTS+ 4Kの2機種でした。マウスの持ち方や動かし方を大きく変えたりしない限りはこれからも長くお世話になると思います。
ゲーミングマウスパッド編
今年はゲーミングマウスパッドの発売ペースが凄まじくて、週替わりで新しいマウスパッドを試していたんですが、ベストマウスパッドを決めるならこの2枚だな、っていうのはすぐに出てくる感じでした。
Artisan NINJA FX Zero Mid
バランス系マウスパッドの王です。King Of Kings。
熱心にデバイスを追いかけている人ならピンとくるかもしれないんですけど、今年はPoronとかそれに似たポリウレタンの柔らかいベース材が流行って、柔らかいマウスパッドの怒涛のラッシュが繰り出されてました。
柔らかいマウスパッドにはクッション性があるので、指先や手首に力が入っても、マウスに圧が掛かっても、それを吸収してくれます。エイムのブレが軽減されるイメージです。あえてマウスに圧を掛けて沈み込ませることで、追加の摩擦を発生させて止めやすくする、みたいなこともできます。
こうやって聞くと柔らかい方が良いじゃんってなるかもしれないんですけど、沈み込ませてマウスを止めるにしても、人間だから毎回まったく同じ圧を掛けられる訳でもないし、その日の調子に左右されやすいというか、ランダム性があるように感じてきたんですよね。
逆に硬いマウスパッドはとても素直で、動きが1:1でそのままカーソルに反映されるイメージです。柔らかいマウスパッドで許されてたような小さなぶれや細かな震えは、硬いマウスパッドだと一切誤魔化しが効かなくなります。
Artisan Zero Midはマウスを止めるのに充分な摩擦があるので、脱力した状態で水平にマウスを動かすことを意識しやすく、柔らかいマウスパッドに慣れ切った人が硬いマウスパッドも使えるようになるための矯正にはもってこいな1枚だと感じました。
おかげでマウスの動かし方が綺麗になり、ランダム性もなくなり、日によってエイムの調子が悪くなることも減りました。感謝。
Kurosun Ninja Speed
Artisan Zero Midで癖を矯正したら、いつの間にかVALORANTでもスピード系マウスパッドを使えるようになってたので、色々試していて辿り着いたのがKurosun Ninja Speedです。
マウスパッドとしての優秀さを超えて、消耗品としての優秀さを感じます。熱硬化処理が施された表面は、布製マウスパッドとしては耐久性が非常に高いです。常識的な範囲であれば、湿度による滑りの変化も感じません。
スピード系マウスパッドには表面が粗かったり、粗いとまではいかなくても腕や手首が擦れるとテクスチャを感じるようなものが多い印象なんですけど、これはさらっとしていて肌触りが良い部類に入ります。
硬い布生地と柔らかいベースが組み合わさっているマウスパッドは地味に珍しいです。表面から押すと硬いのに裏面から押すと柔らかい、といった状態です。表面から硬度を測ってみると58と出ました。これは布製マウスパッドの中でもやや硬い部類に入ります。
ただ、これくらい硬いマウスパッドとは違って、一応沈みはするんですよね。柔らかいマウスパッドではマウスを押し下げるとソールが食い込んで滑りが鈍くなりますが、このマウスパッドは表面が硬いので、ソールだけでなくソールの周囲ごとたわむような感じになって、あまり減速しません。前のようにマウスを押し下げる癖も再発しないまま、手ブレだけ程よく吸収してくれるので助かっています。これがKurosun Ninja Speedの一番良いところかもしれません。
ゲーミングキーボード編
Wooting 60 HE
Rapid Triggerの生みの親です。買ったのは去年の7月で、約1年半くらい使っていますが、まだまだ現役です。今年はたくさんのRapid Triggerキーボードが出ましたが、なんだかんだでずっと魅力的な製品だと思います。
Wootingがきっかけとなって、初めてキーボードのカスタマイズをしました。ケースとキースイッチを海外サイトで探してきたり、キースイッチを分解してルブをしたり。時間もお金も掛かったけど、めちゃくちゃ楽しかったです。
最近になってLekker Switchの改良版ともいえるGateronの新型キースイッチも流通し始めて、キーの揺れや打鍵感も改善できるようになるので、まだまだ遊べそうで楽しみです。
先日ティアーリストを出したように、性能面で見るとトップクラスではあるもののトップではないです。それでもトップ層の差はわずかです。どうにか性能面を重視している人もWootingを買って、そこからカスタムの存在を知って、性能がどうこう以外の部分でも楽しめるようになって、デバイスの沼にはまってほしいです。
ZENAIM KEYBOARD
気に入らない部分もいくつかあります。使い慣れていない日本語配列だったり、1段目と2段目の隙間が無かったり。タイピングするときは未だに違和感があります。
それでもVALORANTをやるならこれで間違いないなと思います。ここまで性能面で文句が無いデバイスも久々です。
とにかく動作が安定しています。それなりの時間使っていて、一度も変な挙動をしたことがありません。アクチュエーションポイントやRapid Triggerの数値を細かく設定できるうえ、デッドゾーンが短く、キーのオンオフ判定の精度も高いように感じます。
ロープロファイルキーボードよりも更に浅い1.9ミリのキーストロークも大きく影響していると思います。いつも同じタイミングでキーがオンオフされているように感じられます。そもそもキーを4.0ミリも押し込める意味はあるのか?ストロークは短ければ短いほうが良いんじゃないか?と考えさせられます。
体感ではこれを使うとVALORANTでストッピングミスが明らかに減るように感じるので、ランクするときは必ずこれに繋ぎ変えています。
さいごに
全部のデバイスを網羅する勢いでレビューをやってる関係で、どれだけ気に入ったマウスやマウスパッドがあっても、同じものを連続で使えるのは最長で10日くらいです。スケジュールが落ち着いたら好きなデバイスでゲームをするといった感じで、その中でも一番気に入ったのがこの6機種でした。
今回の企画は普段のレビューやティアーリストとは違って、完全に自分の好みだけで選ぶものなので、ある意味では自由に操作できてしまう側面もあります。
ただ、最初はTop3の形式にしようとしていたんですが、もともと2番目までは即決していて、残りの1つを無理やり選んでまでTop3にするのが嫌だったので2つしか紹介しなかったという経緯があります。
めちゃくちゃ正直に選んだ6つなので、ぜひ機会があれば試してみてください。