Rapid triggerに対応しているゲーミングキーボード30種類のデッドゾーンを測定し、性能を比較してみました。
使用機材と測定方法
Mitsutoyoのマイクロメーターを自作の器具で固定したものです。マイクロメーターは25-50mmの範囲を0.001mm刻みでアナログ測定できるものです。
考察
- デッドゾーンが短いものは高速応答が期待できる
- 特にValorantでは、キーボードのキャラクター移動を使ってエイムを合わせる技術を多用するので、キー入力がON/OFFされるタイミングのわずかな違いがパフォーマンスに影響しやすい
- デッドゾーンが短いほうがパフォーマンスが上がるとは限らない
Rapid triggerキーボード 性能・デッドゾーン 比較一覧表
Name | RT最小値 | Deadzone(Min) | Deadzone(Max) | RT 備考 | 関連製品 |
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0.01 | 0.018 | 0.028 | Reset Point 0.02mm設定時の結果。0.01mmでは動作が不安定になり、わずかなキーの揺れで入力が切れる現象が発生した。この問題は設定値0.02mmにすることで解消された。 | ||
0.04 | 0.07 | 0.091 | |||
0.1 | 0.188 | 0.202 | 0.2mm設定時の結果。RTを0.1mmに設定すると実測値0.101~0.138mmと良い結果が得られるが、動作が不安定になり、キーを押していないのに入力されることがある。 | ||
0.15 | 0.236 | 0.25 | +にはハードウェアに若干の改良が加えられているらしく、無印よりも良い結果が得られた。もしかすると個体差の範囲かもしれない。 | ||
0.1 | 0.238 | 0.245 | キーごとの結果のバラつきが少なかった。筆者の測定方法だと、最小値と最大値の差はわずか0.007mmに留まっている。 | ||
0.15 | 0.249 | 0.286 | |||
0.1 | 0.31 | 0.368 | G版では非常に多かった不具合報告だが、L版では落ち着いているように思う。 | ||
0.1 | 0.347 | 0.39 | アクチュエーションポイントやRapid triggerを~0.2mmに設定すると動作が不安定になる。キーを押していないのに入力されたり、多重入力が頻繁に起きる。 | ||
0.1 | 0.349 | 0.37 | |||
0.1 | 0.356 | 0.399 | 発売直後はワーストレベルだったが、ファームウェアアップデートで大幅に改善された。 | ||
0.36 | 0.678 | キーの多重入力が頻繁に起きる。ストロークごとのオンオフ判定のバラつきが大きい。 | |||
0.1 | 0.398 | 0.413 | |||
0.1 | 0.422 | 0.439 | 入力切れをはじめとする動作不良が多数報告されている。筆者の個体では発生していないので、不良個体や不良ロットが存在すると思われる。 | ||
0.1 | 0.422 | 0.439 | 入力切れをはじめとする動作不良が多数報告されている。筆者の個体では発生していないので、不良個体や不良ロットが存在すると思われる。 | ||
0.1 | 0.45 | 0.471 | |||
0.1 | 0.462 | 0.47 | |||
0.1 | 0.464 | 0.601 | この数値は誤作動防止ONに設定した際のもの。誤作動防止をOFFにするとデッドゾーンが約0.2mm短縮される(実測値0.251mm)が、キーの多重入力が頻繁に起きるようになり、思い通りの文章入力はほぼ不可能となる。ゲームプレイに支障はない。 | ||
0.1 | 0.485 | 0.521 | |||
0.489 | 0.519 | ||||
0.2 | 0.503 | 0.531 | |||
0.2 | 0.583 | 0.591 | |||
0.1 | 0.587 | 0.61 | |||
0.1 | 0.596 | 0.637 | |||
0.1 | 0.604 | 0.626 | |||
0.1 | 0.851 | 0.883 | Rapid Triggerを低い値に設定すると、稀にキーを底打ちした状態での入力切れが起こる。検証機は初期プロトタイプなので、以降のロットではより良い結果が得られる可能性がある。 | ||
0.1 | 0.86 | 0.879 | |||
0.1 | 0.955 | 1.027 | |||
0.1 | 1.177 | 1.221 | 静電容量無接点スイッチの仕組み上、ゆっくりとキーを上下する今回の測定方法とは相性が悪いことも考慮していただきたい。 | ||
0.1 | 1.192 | 1.356 | 静電容量無接点スイッチの仕組み上、ゆっくりとキーを上下する今回の測定方法とは相性が悪いことも考慮していただきたい。 | ||
0.1 | 1.394 | 1.416 | |||
0.01 | |||||
0.01 | |||||
0.15 | |||||
0.04 |
注意点
- 本ページで公開している測定データと、それに基づいた評価は、あくまで参考程度にお願いします。
- 評価がUnrankedになっている機種は、動作不能をはじめとする致命的な問題の発生件数が多いと思われるものです。その判断は筆者が行っているので、必ずしも正しいものではありません。